tuduramachiの日記

日々の生活の中からITの問題解決を探る

ガリレオの相対性理論

 

慣性の法則

冬が来て養老の滝もその前の滝つぼもコチコチに凍ってしまった。

滝つぼの周りの水面は凍ってスケート場になっているのだ。

 

ウサギも亀も氷の上で滑って遊ぶのが好きだった。

二人はそれぞれそりを作り、滝つぼの横の斜面を下りその勢いで

氷の表面も滑って調子のいい時には対岸までついてしまう時もあるのだった。

太陽が出て氷の表面を溶かし始めたときはとてもよく滑って

ウサギも亀も楽々と対岸まで行けた。

しかし曇り空で太陽が見えず寒くて小雪がちらつく日などは

どんなに頑張っても対岸までいかずに池の途中で止まってしまうのだった。

 

それは橇と氷の間の摩擦が大きくなるからだった。

もし摩擦がなくなってしまい、空気の抵抗もなくなってしまったなら

橇はどこまでも同じ速度で滑っていくことだろう。

それは慣性の力によるものであり、実際には摩擦や空気抵抗によって

減速され橇はやがて止まってしまう。

 

ウサギと亀は氷の上でも競走した。

まずどちらが先に対岸につけるかという競争。

これは氷の表面がつるつるの時に行われた。

 

次にどちらがより近く対岸まで行けるかという競争。

これはあまり滑りがよくない日に行い二人は橇の摩擦を減らすためにワックスを塗ったり

滑り面を磨いたりした。

 

どちらも互角の勝負で毎日勝ち点を競い合うウサギと亀であった。

 

ある時飽きっぽいウサギが言った。

(対岸にバスケットボードを立ててバスケットにボールを入れっこしよう)

亀も同様に飽きてきたので、二人はさっそくバスケットポールを立ててそれに

バスケットのついたバスケットボードを付けた。

 

それから二人は交互にボールをもって橇で坂を下り、対岸のバスケットに

シュートを試みるのだった。

 

シュートは橇のスピードを加味して行われた。

というのは

ボールを橇の上にまっすぐ投げ上げても橇の速度がボールに加味されて

橇の上から見ると真上に上がっているのだが

氷の上から見るとボールは放物線を描いてゴールに向かっていくのだった。

 

同様な現象は

電車の中で鉛筆を投げ上げても確認できる。

車内では鉛筆は真上に投げられて真下に落ちてくる。

しかし車外から見ると鉛筆は電車の進行方向に向かって放物線を描くのだ。

つづく